晴れ、ときどき×× 1
2014 / 10 / 30 ( Thu ) ~♪~~~~♪~~
ボフッ!! ひっきりなしにかかってくる携帯に枕を投げつける。 幾分音が小さくはなったものの尚も音が途絶えることはない。 「もうっ!いつまでかけてくるつもりよ?!」 つくしはイライラしながらもあいつなら時間の許す限りやり続けるに違いないと妙な確信を持っていた。鳴り続けている音楽がプツリと途絶えた一瞬の隙をついて考える。 仕方がない。 使えなくなるのは困るがしばらく電源を落としてしまおう。 ~♪~~♪ そう思って携帯に手を伸ばした瞬間、先程までとは違うメロディが響き始めた。 この音楽はあいつからの着信音ではない。 つくしは急いでそれを手に取り画面を確認した。 「桜子・・・?・・・もしもし?」 『あ、先輩。お元気ですか?今日T4で集まらないかって滋さんと話してるんですけど、先輩の予定はどうですか?」 大学を卒業して1年。 それぞれが自分の道を進み始め、学生の頃のように頻繁には会うこともなくなっていた。 だが時間を見つけてはこうして定期的に女子会を開いている。それがつくしにとっても息抜きとなっていた。 「行くっ!!絶対行くっ!!」 『先輩がそんなに乗り気なのも珍しいですね。・・・・まぁいいです。お話は後でゆっくりと。じゃあいつものところに7時でいいですか?』 「了解!」 通話を終わらせると先程までの鬱々とした気分が一気に晴れている自分に気付く。 今日は煩わしいことは忘れて思いっきり楽しもう。うん、そうしよう。 ~~♪~~♪~~ そう思っているところに手の中の携帯が再び音を奏で始める。 名前なんて見なくてもわかる。この着信音を響かせるのは一人しかいないから。 「もうっ、あんたはそんなに暇な人間じゃないでしょ!」 叫ぶが早いかつくしはブツッと一気に電源を落とした。 ようやく室内に静寂が訪れる。さっさとこうしておけば良かったのだ。 はーーっと盛大に息を吐き出すと、つくしは仕事に行く準備を始めた。 ****** 「牧野さん、今日皆で飲みに行かないかって話があるんだけど一緒にどう?」 「あ、ごめんなさい!今日は予定があって・・・・」 「あ~、もしかしてデート?」 一日の業務を終えてデスクの上を片付けていたところで声をかけられた。 入社したときから何かとよく面倒を見てくれるいい先輩だ。 是非にといいたいところだが今日はあいにく先約がある。 「まさか~!女子会ですよ、女子会」 「あら、牧野さんもなの?それじゃあお互い一週間の疲れを吐き出さなきゃね」 「ほんとですね。私、気合い入りまくってますよ」 そう言ってむんっ!と腕まくりをするつくしに吹き出す。 「あははっ!じゃあまたの機会にしましょ。じゃあお疲れ様!」 「はい。お疲れ様でした!」 大学卒業後につくしが就職したのは輸入品の取り扱いをする中小企業。 決して大きくはないが社員同士の繋がりはとても強い。 そこにつくしの性格も相まってこうして声がかかることは少なくないのだが・・・・ 「よしっ、私も急いで準備しなきゃ」 考えることを無理矢理中断させると、つくしは更衣室へと急いだ。 **** 煌びやかな店内を進んでいくと見えてくる重厚な扉。 外からは中の様子を伺い知ることはできない。VIPのための部屋だ。 つくしは来る度に身の丈に合っていないなと思いつつ、その扉に手をかけた。 「つくし~!遅いぞっ!」 「ごめんっ!電車一本乗り遅れちゃって」 開けて真っ先に目に入ってきたのは滋だった。 横には桜子と優紀もいて、どうやら自分が一番最後だったようだ。 「つくし、お疲れ」 「先輩、お疲れ様です」 「お疲れ。今日は皆早いんだね?」 「だって花金だよ?俄然頑張っちゃうでしょ~」 ニヒヒと笑いながら滋がつくしの隣へと移動してくる。 「先輩何にしますか?」 「あ、じゃあカシスオレンジで」 手慣れた動作で桜子が全員分のアルコールを注文すると、 運ばれてきたグラスを片手に一度全員立ち上がった。 「じゃあ、久しぶりのT4、カンパ~イ!!」 「「「カンパ~イ!!」」」 滋のかけ声で乾杯すると、それぞれがグラスの中身をグイッと煽る。 中でもつくしのピッチは一番速かった。 「つくし今日はグイグイいくね。何かあった?」 「別に何も~?」 心配そうに顔を覗き込む優紀を気にすることなく、つくしは目の前にある美味しそうな料理を一掴みして口に運ぶ。 「ん~、美味しいっ!やっぱり仕事終わりのお酒とおいしいご飯は格別だわ」 「確かに。っていうか私たちも全員社会人かぁ~。なんか不思議だよね」 「うんうん、このメンバーでいると学生気分が抜けないって言うか」 「わかるわかる!一瞬で戻っちゃうよね」 「まぁ実際ほとんど成長してないんだけどさぁ・・・・」 「あはははっ!」 ピリリリリリリリリっ! 各々話に花を咲かせていたとき、室内に一つの着信音が鳴り響いた。 どうやら桜子の携帯のようだ。 「あ、ごめんなさい。私のです」 そう言うと鞄の中から携帯を取り出す。画面を確認した桜子の動きが一瞬だけ止まったような気がするが、次の瞬間には普通に電話を耳にしていた。 つくしをはじめ残りのメンツは会話の邪魔にならないようにお酒やおつまみを口にしている。 「もしもし?はい、お久しぶりです。・・・・・え?先輩ですか?」 聞こえてきたその言葉につくしの手がピタリと止まった。 見れば桜子がこちらを意味ありげに見ている。 その電話の相手が誰であるか、そして何が目的であるのかを瞬時に悟ったつくしはブンブンと首を横に振りながら手で大きく×印を作った。 「・・・・・・いえ、私は知らないです。・・・え?・・・はい。はい、わかりました。それじゃあ失礼します」 ピッという音と共に会話を終わらせると、いつの間にか室内は静寂に包まれていた。 「もしかして司?」 最初に口を開いたのは滋だ。 「はい。先輩がそこにいないかって。携帯が繋がらないって心配してましたよ?」 「つくし~、またケンかしたの?」 「・・・・・・別に」 否定の言葉を出しながらもつくしの顔は明らかに不機嫌だ。 「・・・・・で?一体何があったんですか?道明寺さんに居場所を知られたくないならちゃんと話してくれますよね?」 有無を言わさない桜子の口調に顔を上げれば全員が自分をじっと見つめている。 こうなっては話すまで逃げることは許されない。 つくしははぁ~っと溜息をつくとゆっくりと口を開いた。 ![]() ![]()
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出遅れたのが悔しいので足跡だけを先に残しておく ペタッペタッ ビタンビタン!! (〃∇〃)開設おめでとうございます
by: ブラん子 * 2014/10/30 15:38 * URL [ 編集 ] | page top
--ブラん子様--
わぁ~、有難うございますっ(*´∀`*) ブラパンツ師匠とお呼びした方がよかったでしょうか?! もうすっかり棒・・・・おっと、某本部に毒されてまして、 ありとあらゆることが原型をとどめておりません(笑) ひっそりと立ち上げたこちらのサイトですが、 有難いことにすぐに気付いてくださる方がいらっしゃいました。 細~いサイトですが、コメントをくださる方は凄い方ばかりで震え上がっております。 本当に有難いことです。 どうぞこれからも宜しくお願い致します<m(__)m> --をー?!!--
飛べたよ、ひゃほー(((o(*゚▽゚*)o))) オープン、おめでとうございます!!! Blogまで開設しちゃうなんて、 秘密結社のスゴさ、、、 流石ですね! --リゲル様--
わざわざ有難うございます~!! 本当に凄い方ばかりからコメントをいただいて・・・・ちびりそうです。 秘密結社の力は凄し、ですね。 皆様との出会いがなければここは存在していませんから。 そして私、リゲル様のサイトにもずっとお世話になっておりました。 (あのリゲル様でよろしいですよね?もし間違っていたらすみません><) これからゆるく細く頑張っていきたいと思っていますので、 何とぞ宜しくお願い致します<m(__)m> --辺境地あーんど--
放置で雑草ぼーぼぼー。 なあの場所を御存知とわっ!! びっくらこいたなー、飛びます!飛びます!! 私っっ爆爆爆 今後ともどうぞ宜しくお願い致します・ペコリッ --ただいまです(`・ω・´)ゝ--
漸くこちらのサイトのリンクを貼る事ができました。 お待たせしてすいません。(_ _;) バナーが完成した暁には是非是非ご一報下さいませー。 既に日参しておりますので、恐ろしいほど早く気付くかも知れませんが。笑 猫は足音が立ちませんからね。 ストーカーには最適です。クスッ 新作だけではなく他サイト様で公開された話も読み返しまくりですとも。 あぁ、幸せーヽ(*´∀`*)ノ --リゲル様--
はい、もちのろんで存じ上げております。 ふふふ、こう見えても二次愛読歴は結構長いんです( ̄ー ̄)ニヤ コメント欄に参加するようになったのはごく最近なんですけどね。 一時期多くのサイトさんがやめてしまってとても寂しく思ってたのですが、 ここにきてまた再燃してますよね。 もう嬉しくて飛び上がってまたブラジル入りしちゃいそうです。 まさか自分がその一員になるとは思いもしませんでしたが・・・・ 皆様との出会いに感謝感謝です。 こちらこそ宜しくお願い致します~!(*´∀`*) --丸々猫様--
お帰りなさいませっ! そしてそしてリンクを貼ってくださり本当に有難うございますっ!!(゜´Д`゜) 自分が読んでいたサイト様にリンクが貼られる・・・・これは夢でしょうか? うん、そうに違いない。 だってサイトを持つことすらほんの少し前まで考えてもいなかったのだから。 だから清水の舞台から飛び降りても痛くもかゆくもないはず・・・・・ 万が一の時には骨拾いをお願い致します。 猫のストーカーと言えば、猫のだるまさんがころんだがたまりまへん。 基本的にほとんどの猫が好きですよね。 もう変態仮面はこれだけでご飯が3杯はいけます(笑) |
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